2024年08月10日

五山の送り火

8月の京都の行事で一番有名なのは「五山の送り火」です。
8月16日、お盆に帰ってきたご先祖様の魂が冥土にお戻りになる際のお見送りの火と言われており、大文字山、左大文字山、妙、法、舟、鳥居、の6つの山に描かれた大きい文字に点火され、夏の夜に火も文字が浮かび上がる様子は壮観です。

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あれ?6つの山なのにどうして「五山の送り火」?と思われるかもしれませんが、「妙・法」を1つと数えて五山と呼んでいるようです。ちなみに明治初期までは10の山で火が炊かれていたそうで、数にはそれほどこだわらなくてもいいのかもしれません。
そもそもこの行事の起源もさだかではなく、戦国時代に盛んだった万灯会(まんとうえ)がしだいに山に移って精霊の送り火となった、とか。

暑い夏に大量の松明を時間どおりに燃やすのはいかほどに難しいだろうと想像しますが(各山々はほんの少しの時間差で点灯されます)、これは全て各山付近の町内の方々が保存会を結成し、ボランティアで維持されています。京都人にとっては友人や家族と一緒に見る夏の風物詩として少しお祭り気分にもなってしまいがちですが、保存会の方々のご尽力に感謝の気持ちを忘れてはいけない、と自分に言い聞かせています。

松明の消し炭は疫病除けなどのご利益があると言われ、京都の人は夜中から早朝にかけて消し炭を求めて五山に登ります。京都の料亭などにも半紙にくるんで水引をかけて置かれているのをご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。

8月16日の夜だけの送り火ですが、その季節以外だと山登りでも楽しめます。一番有名な大文字は30分程度で登れる緩やかな山で、私も保育園の遠足で登った記憶がありますから小さい子供でも簡単に登れて、京都市内を一望できるのでオススメの散歩(?)スポットです。「大」の字の火床に座って京都市内を見ながらお弁当を食べる、のは京都人の楽しみの一つです。

一度、8月16日の夜に京都にいらしてください。
ワイングロッサリーのショップのビルの屋上からも五山が見えますから、よろしければご一緒にご覧になりませんか。京都の夏はとびきり暑いけど・・・

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posted by まさきこ at 17:41| Comment(0) | 京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする