「ずいき」とは食用のサトイモやハスイモの葉柄のこと。里芋の茎(芋茎、いもがら)を指し、特に京都や関西地方でよく食べられる食材です
京都では生のずいきを茹でて食べますが、他の地方ではどうなのかしら?と調べてみたところ、東北や関東、中部、九州など他の地方では、干して保存食として利用されることが多いそうです。「干しずいき」! どんな食感でどんな味なんだろう?とワクワクしてしまうぐらい、私は「ずいき」好き。
皮をむいて茹でて、煮物や酢の物、炊き合わせに使うの一般的ですが、一番の好物はお吸い物に仕立てて葛をひいて生姜汁を垂らしたもの。シャキシャキのずいきのアツアツをふうふう言いながら食べるのも良いし、翌日に残ったものを冷やして食べるのもまたよし。
ずいきはアクがあるので皮を剥くと手が真っ黒になりますが、あの美味しさを思うと苦労も厭いません。
家庭では「八つ頭(やつがしら)」という里芋の茎を使用した「赤ずいき」を使いますが、お料理屋さんで白ずいきが出てくると、ちょっと贅沢な気分になります。白ずいきは、里芋の茎の中でも特に「京いも」(京野菜の一種)の茎を指すことが多く、その名の通り、淡い白色で、生で見ると、ほんのり緑がかった白色をしています。シャキシャキとした歯ごたえは赤ずいきと同じですが、クセが少ないため、さっぱりとした料理に向いています。京都の名物の白味噌を使って酢味噌和え(千鳥酢を使ってほしい)にすると、残暑も吹き飛ぶ清涼感です。
京都では本当によくずいきを食べるので、「瑞饋(ずいき)祭」というお祭りもあるぐらいです。北野天満宮で10月初旬に行われる瑞饋祭では、三基の御鳳輦(ごほうれん)のほかに、ずいきや野菜で飾られたずいき御輿が加わります。めでたい言葉の「瑞気」、うれしいという「随喜」の発音と同じことからめでたいとされ、「饋」の字は神様に食物を供える意味があるそうです。
ずいきは、食物繊維、カリウム、カルシウム、ビタミンC、鉄分などの栄養素が含まれており、腸内環境を整えたり、高血圧や貧血の予防に効果が期待できるそう。低カロリーでヘルシーなずいき、残暑に疲れた身体にもぴったりですね。
はてさて、ワインには合うかしら。
白味噌あえには白ワイン、お吸い物には軽めの赤ワイン、、かな?
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